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わたしのブログ

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続きです。

夜、船員が紙を持ってきて、「この中に元軍人の方はいられますか?」と言いに来たので、私は「間違いなくこの船は日本に着くか?」とたずねると、「明日の昼過ぎ佐世保港に入港します.」と言ったので「よし、それでは俺は軍人だ。」と言うと「はっ、これは長い間ご苦労さまでした。上陸の際、手間が省けるので、これに所属部隊と官等級氏名を書いてください。それを佐世保の復員局に提出しますので。」と言われた。

 この話を聞いた周りの人たちがいっせいに「どうも変だと思ったが、やはりね、こういう人が大連にいたなんて。」「いて悪かったなぁ。」ハハハと笑ったら、北村さんの奥さんが「どう、さっぱりしたでしょう。」周りの多くの人たちも「あの厳重な兵隊狩りをよく切り抜けて帰れたわね。」と感心するやら驚くやらである。
 私は、満州派遣軍、極第2909部隊ホ隊陸軍一等兵、片山栄司。と書いて「これでよいか。」と船員に示すと「ハイ、復員局では上等兵になっておりります。」・・・・と言うじゃないか。「今更、星なんて要らない。」「でも、規則なんです。」と言いながら持っていった。
 


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